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管理人きりの創作と日常の記録。

何かを作るときに忘れたくないこと。

こんばんは。最近祝祭日に休めないことに慣れてしまった管理人、きりです。

仕事先が祝祭日も勤務日なので自然とそうなってしまいます。休めなかった分は年末年始等の長期休暇がさらに長くなる特典へと生まれ変わります。

気づけば現時点で社会人歴の三分の一を占める期間を占めることになった現プロジェクトですが、その生活もあとわずかです。中途半端なタイミングで離れるので「年末年始長いお休みをもらってからいなくなりたかった」という名残惜しさと「この辛い状況から抜け出せるんだ……」という喜びの狭間で複雑な気分です。

勤務地が自宅から近いのでそれは十分嬉しかったですけども、延々と続くプログラムのデグレードと終息を知らずに生まれゆく不具合を見つける毎日はなかなか精神的につらいものです。

そんな時、同じ職場にいる、父より少し年下くらいのKさんが呟いた一言が、何となく心に刺さりました。

「俺、誰かのためになる仕事がしたいよ」

最初はどうしたんだろうと思いましたが、どうやらプロジェクトの現状を憂いているようで続けて次のように言っていました。

「今の仕事(開発している新しいシステム)って『誰か』のためになっているのかなって思うんだ。プロジェクトが進まない原因を押し付け合って、開発側の都合で妥協した機能に落ち着けて、最後に使う人のことを考えている気がしない。せっかくエンドユーザが使いやすい新しいシステムを作り始めたはずなのに、これって何か違う気がするんだよなぁ」

色々な会社が携わっていて複雑に絡み合った巨大なシステム。綻びの原因はどこにあるのか、各社、自分に火の粉がかからないように動くのは当然だと思います。


……プロジェクトマネージャは言う
「テスト担当者がテストをしないからプロジェクトが遅れるんだ」
……テスト担当者は言う
「バグが多くてテストケースがまともに進められません」
……開発者は言う
「この動きは仕様通りですよ。違うならなぜ設計書レビューの時点で指摘しなかったんですか?」
……エンドユーザは言う
「仕様変更でも何でもいいから直してほしい。修正に時間がかかるなら妥協案を出して、承認したらすぐ直して」
……テスト担当者は言う
「直ったはずのバグが再発しました、テストができません。原因調査をお願いします」
……開発者は言う
「このエラーは弊社が開発したプログラムの出しているエラーではありません。他社担当分です、そちらに問い合わせてください」
……プロジェクトマネージャは言う
「とにかく納期は守るんだ」


どこかだけのせい、とは一概に言い切れないけれど、それぞれが自分の身を守ることに必死でそれで大切な何かを忘れてしまっている。彼はそう言っていました。

歳は倍くらい離れているのに、彼の言葉と考えはすごくすんなりと同意できました。
やっぱり、何かを作る時は最終的にそれに触れる『誰か』の事を考えて作るべきなんだと思います。みんなで時間をかけて作ったんだもの、最後は使う人に喜んで欲しいのです。たとえ、実際に顔を合わせて感想を聞ける立場でないとしても。

「これって、どうなの?」

作っている人がそんな疑問を持つのなら、最後に使う人に喜ばれるわけがない。
そのうち開発をする側に戻っても、この時感じたことを忘れないようにしたいと思います。
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